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9月委員会事業のご報告(2015/09/25)
エコノミックガーデニングを学ぼう-高崎経済の持続的発展を目指して-
■日時:平成27年9月16日(水)19:00~21:00
■場所:ヤマダ電機LABI1高崎4FLABIGate
■参加者:221名
■開催趣旨
これまで日本の都市はその立地条件や規制緩和、補助金、税制優遇の提供により産業界に貢献してきました。1990年頃までの成長期にはものづくり・物流に適した立地条件を企業に提供し、近年の低迷期では企業誘致に適した立地条件に加えて、規制緩和や補助金の提供を行ってきました。今後、地域経済は短期的な景気変動に加えて、長期的な人口減少、少子高齢化の影響を受け、混迷期を迎えようとしています。
これからの地域経済が持続的な成長を遂げるには、現在の低迷期をイノベーションなどにより脱却し、東京及び周辺地域との協業を実現させる必要があります。そのためには、高崎を含めた地方都市は新たな付加価値を生み出すプラットフォームを企業に提供する必要があるのではないでしょうか。企業誘致だけに頼るのではなく、地域の中小企業が成長することによる地域経済の活性化を目指すことが必要であり、地域の中小企業の企業活動を盛んにする経済的な土壌を形成することが必要であると考えました。
そこで、高崎市民の皆様に、地域の中小企業が成長するビジネス環境をつくり、地域経済を活性化させる政策である、「エコノミックガーデニング」の有効性について理解していただき、エコノミックガーデニングたかさきの実現に向けて行動を促進させることを目的として、事業を開催させていただきました。
■事業内容
<趣旨説明>
企業誘致という方法で、大企業の大きな力に頼りがちだったこれまでの経済政策。今後、地域経済が持続的発展していく為には、外から大きな企業を誘致し、地元経済を上から引っ張ってもらうトップダウン型の経済政策も重要な選択肢の一つでありますが、もう一方で、我々一人ひとりが、ボトムアップでそれぞれの力を発揮し、私たちのこども達、孫たちの世代までしっかりと自立していられる足腰の強い地域経済基盤を、私たち自身で作っていかなければいけないと説きました。
<第一部基調講演>
第一部では、講師として拓殖大学教授である、山本尚史氏に登壇いただき、「地域経済を救うエコノミックガーデニング」をテーマに講演いただきました。企業誘致に頼らず、地元の中小企業を成長させることで、地域経済を活性化させる政策である、エコノミックガーデニングについて、理念やアメリカでの先進事例を交えながら、その有効性についてわかりやすく伝えていただきました。
<第二部トークセッション>
第二部では、①エコノミックガーデニング国内導入・類似事例、②高崎市の中小企業支援、③委員会勉強会実施報告、各テーマについて委員会発表を行い、第一部に引き続き山本尚史氏と衆議院議員の福田達夫氏からコメントをいただきながら、「エコノミックガーデニングたかさきの可能性と実現への課題」について考えました。最後に山本氏から『エコノミックガーデニングたかさきは実現可能である』と太鼓判を押していただきました。
<委員会提言>
人口減少、国の財源の悪化、今、地方都市がやらなければいけないことは、自立した体制を新たにつくり、個性を際立たせ、経済基盤をより強く、大きくすることが必要です。その為には企業誘致に頼るのみではなく、地元の企業活動を活発にしていく必要があり、試行錯誤しながら、継続して、様々な手法で地元企業を育成していくことが重要です。しかし、行政組織の努力だけでは限界があり、学校・研究機関、経済団体・経営者、市民団体・NPO、金融機関などからなる、産・学・公・民・金が連携して取組む必要があると伝えました。
また、企業が成長する為には、新しいことへ挑戦していかなければならないが、そのようなとき、挑戦を奨励するような支援体制が整っていれば、企業は挑戦と成長を繰り返し、高崎経済は持続的に発展していけると発信しました。
最後に、エコノミックガーデニングたかさき実現に向け、一緒に考え、行動していただける方に対して協力を呼びかけるとともに、「必ず実現してみせる」と宣言しました。
■最後に
ご来場いただいた皆様、まことにありがとうございました。本事業を通して、一人でも多くの方にエコノミックガーデニングの有効性について理解していただけたら幸いです。当委員会では引き続きエコノミックガーデニングたかさきの実現に向け、考え、行動していきます。今後、この高崎から数多くの挑戦者が生れ、また、その支援の輪が広がっていくことを切に願っています。これからも共に5年後、10年後、100年後の高崎を創造していきましょう。